湿潤療法(うるおい療法)とは

湿潤療法(うるおい療法)とは、ケガなどで傷ついた細胞が乾燥せず、うるおいを保てるように被覆剤で覆う治療法です。また、消毒薬は一時的には細菌数を減らしますが、それを上回るデメリットとして、人間の細胞を傷害するという作用があるため、消毒薬は使用しません。

湿潤療法(うるおい療法)は、すり傷、切り傷、犬にかまれた傷、やけどの治療などにはたいへん適しています。また、乾燥やアトピーなどによりかゆみが強く、掻いてしまったためにできた傷にも有効です。

湿潤療法のポイント

治りが早い、感染率が低い(化膿しにくい)、痛みが少ない、コストがかからない、入浴・シャワー・洗髪などができるなど、多くのメリットがあります。

湿潤療法のポイントは、
  1. 消毒薬は細菌を減らす作用より、人間の細胞を傷害するデメリットが大きいので使用せず、水道水で洗浄する。
  2. プラスモイスト、ハイドロサイト、デュオアクティブ、カルトスタットなどの被覆剤(傷をおおうもの)で傷をおおい、 傷を乾燥させないようにする。ガーゼは、傷を乾燥させ、傷にくっついてしまうので使用しない。
などです。

特に、やけどの治療においては、プラスモイストでやけどの部位をおおうことで、創部に固着せず、しかも適度な湿潤環境を維持することが可能となり、よい治療成績が得られており、コスト的にも他の被覆剤よりもメリットがあります。

【症例 1】
  右の写真は1月25日と2月18日のものです。
ひと月前に受傷した、ふくらはぎの低温熱傷が治癒しないとのことで受診、プラスモイストでおおい、約3週間後に治りました。
経過中、痛みや感染などは認められませんでした。

【症例 2】

  手のやけどの患者さんもプラスモイストでおおい、7日後には治りました。

【症例 3】
  手のキズは、デュオアクティブETを貼付して9日後に治りました。
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