きよすクリニック 診察室から

医学が飛躍的に進歩したのに、、、  No.33
「医学が飛躍的に進歩したのに、なぜ慢性疾患が増え続けているのだろう。」
ある先生の言葉ですが、至言ですね。

移植や遺伝子治療、再生医療などをはじめとして、飛躍的な医学のおかげで、これまでは治らなかった病気が治るようになった一方、糖尿病や高血圧、脂質異常症、慢性腎不全・透析導入にいたる患者さんが増え続けています。

その原因の一つとして、現代人が食事というものを大切にしていないことが挙げられると思います。

食事療法というと、あれは食べてダメ、これも食べてダメ、などのがまんが必要とネガティブなイメージが先行しがちですが、本来、からだが喜ぶことがつらいわけはないのです。

水分が足りなければ喉が渇いたり、傷んだ食べ物をにおいなどでかぎわけて食べないようにしたりと、もともとからだには、からだを守り、育むしくみが備わっていることを忘れている人、からだの中から発せられている信号に気づかない人が多すぎるように思います。

からだが喜ぶ食事で、しかも美味しい食事になるような工夫とモチベーションが足りないだけです。

慢性腎不全の低タンパク食は、おいしくない、がまんの食事と思われがちですが、食事療法を成功させて、透析導入を遅らせている患者さんは、おいしく、楽しみながら食べておられます。
その工夫を患者さんから教えてもらうと、「こんなに楽しんでおいしく食べているんだ!」こちらがビックリするほどです。
蓄尿して検査をしてみると、塩分摂取量も一日5g以下にしておられます。

塩分の少ない食事は味がない、おいしくないとよく言われますが、私は、うどんやそば、刺身やお寿司などには醤油などを用いず、サラダにも何もかけずにおいしく食べられます。

塩分は少なくても慣れることと、味付けをしないで食べると素材の味がよくわかり、とってもおいしく楽しく感じます。

毎日の食事を楽しみ、大切にすることで、体調も良くなり、食べる幸せを感じることができます。
2011/02/08



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